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中国特許出願の補正の制限

特許事務スタッフ

2014年9月9日作成


 中国における補正の制限は、日本に比べて厳しく、欧州の補正要件に近い制度を採用しています。特許登録前の補正は、以下に示す通り、自発補正とOA応答時の補正とに分けることができます。

(1)自発補正
 自発補正に関し、中国特許法実施細則第51条には、以下の様に記載されています。

中国特許法実施細則第51条(第1段落第1文)
 発明特許出願人は、実体審査を請求する時及び国務院特許行政部門が発行する発明特許出願が実体審査段階に入る旨の通知書を受領した日より起算して3ヶ月以内に、発明特許出願を自発的に補正することができます。


 特許出願人は、以下のa又はbの期間内に自発補正を行うことができます。ただし、自発補正可能な期間が日本に比べて限定されている点に注意が必要です。

a.審査請求の提出時
b.実体審査段階に入る旨の通知書を受領した日から3か月以内

 また、補正可能な範囲に関し、中国特許法第33条及び審査指南第2部分5.2.1.1には、以下の様に記載されている。

中国特許法第33条
 出願人は、その特許出願書類に対して修正を行うことができるが、発明及び実用新案に対する特許申請書類に対する修正は、出願当初の明細書及び請求の範囲に記載した範囲を超えてはならず、意匠に対する特許出願書類の修正は、元の画像又は写真で表示した範囲を超えてはならない。

審査指南第2部分5.2.1.1(一部抜粋)
 審査官は出願人が提出した補正書類を審査する際、専利法第33条の規定を厳正に把握しなければならない。出願書類の補正が出願人の自発補正か、通知書で指摘された欠陥に対する補正かを問わず、出願当初の明細書及び請求の範囲に記載された範囲を超えてはならない。出願当初の明細書及び請求の範囲に記載された範囲は、出願当初の明細書及び請求の範囲の文字どおりに記載された内容と、出願当初の明細書及び請求の範囲の文字どおり記載された内容及び明細書に添付された図面から直接的に、疑う余地も無く確定できる内容を含む。


 特許出願人は、出願当初の明細書及び請求項に記載された範囲内において請求項及び明細書を補正することができますが、新規事項を追加する補正は認められません。出願当初の明細書及び請求項に記載された発明には、出願当初の請求項、明細書本文又は明細書の図面に基づいて直接かつ一義的に確定できる内容が含まれると規定されていますが、近年の特許実務では、明細書に記載された文字通りの内容以外の補正は、ほとんど認められない傾向にあります。例えば、請求項の「ゴムを製造する成分」を「弾性材料を製造する成分」に変更する補正は、「弾性材料を製造する成分」という用語が出願当初の明細書に明記されている場合を除き、認められません(審査指南第2部分5.2.3.1)。また、請求項の「ポンプに用いられる回転軸シール」を「回転軸シール」に変更する補正も認められません(審査指南第2部分5.2.3.3)。

(2)OA応答時の補正
 OA応答時の補正に関し、中国特許法実施細則第51条第2段落には、以下の様に記載されています。

中国特許法実施細則第51条(第2段落)
 出願人は国務院特許行政部門が発行する審査意見通知書を受領した後特許出願書類を補正する場合は、通知書に指摘された欠陥のみに対して、補正を行わなければならない。


 特許出願人は、審査意見通知に対する応答時に補正を行うことができます。自発補正の場合と同様に、新規事項の追加は認められません。また、審査意見通知書において指摘された欠陥のみに対して補正する必要があります。これらの応答時に認められない補正の類型は以下の通りです(審査指南第2部分第8章5.2.1.3)。

a.独立項の一部の技術的特徴を自発的に削除又は変更することにより独立項の保護範囲を拡大する補正。
b.明細書のみに記載され、補正前の請求項の主題と単一性を具備しない技術的内容を請求項の主題とする補正。
c.補正前の特許請求の範囲において言及されていない技術的特徴を有する新たな独立項を追加する補正。
d.補正前の特許請求の範囲に言及されていない技術的特徴を有する新たな従属項を追加する補正。

(3)不服審判請求時の補正
 不服審判請求時の補正に関し、中国特許法実施細則第61条には、以下の様に記載されています。

中国特許法実施細則第61条(第1段落)
 請求人は不服審判を請求し又は専利複審委員会の審理通知書に回答する時に、特許出願書類を補正することができる。ただし、補正は拒絶査定又は審理通知書に指摘された欠陥の除去に限るものとする。


 特許出願人は、拒絶査定に対する不服審判請求時又は専利複審委員会の審理通知書に対する応答時に補正を行うことができます。自発補正の場合と同様に、新規事項の追加は認められません。また、拒絶査定において指摘された欠陥のみに対して補正する必要があります。これらの応答時に認められない補正の類型は以下の通りです(審査指南第4部分第2章4.2)。

a.拒絶査定受領時に比べて請求項の保護範囲を拡大する補正
b.拒絶査定時の請求項に記載された発明と単一性を具備していない発明に変更する補正
c.請求項に記載された発明のカテゴリーを変更する補正
d.請求項を追加する補正
e.拒絶査定で指摘された欠陥に関連しない請求項又は明細書の記述を変更する補正。ただし、明らかな誤記の訂正や、拒絶査定で指摘された欠陥と同一の性質を有する欠陥に対する補正等を除く。

(4)分割出願の時期的制限
 以下のa又はbの期間内に分割出願を提出することができます(審査指南第1部分第1章5.1.1(3))。

a.特許権を付与する旨の通知書を受領した日から2か月以内。
b.拒絶査定の通知書を受領した日から3か月以内。

 ただし、親出願を分割した子出願について更に分割出願(孫出願)を提出する場合、孫出願の提出期限は、親出願の状態を基準に審査されます(審査指南第1部分第1章5.1.1(3))。このため、最初の親出願が上記a又はbのいずれかに該当しない場合には、子出願について更に分割出願を提出することができない点に注意する必要があります。

(5)誤訳訂正
 PCT出願については、以下のa及びbの期間内に誤訳の訂正が認められます(実施細則第113条)。

a.出願公開の準備が終了する前
b.実体審査段階に入る旨の通知書を受領した日から3か月以内

(6)参考資料
a.日本国特許庁ホームページ の外国産業財産権制度情報紹介ページ(URL: http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm#thailand )

b.WTO加盟に向けた改正中国特許法(小谷悦司、今道幸雄、梁熙艶共著 財団法人経済産業調査会発行 2001年9月4日)

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