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■特殊な出願
 特殊な出願として代表的なものには、国内優先権主張出願分割出願変更出願外国出願などがあります。



1.国内優先権主張出願

 国内優先権主張出願とは、既に出願している発明に対して、さらに改良した発明を加え、一出願として出し直すものです。

 例えば、既に出願している発明について出願後もさらに思案を重ねた結果、改良発明に到達した場合には、先の出願日から1年以内に国内優先権主張出願を行うことにより、改良発明を先の出願の発明とともに一出願に含めることができます。

 国内優先権主張出願を行えば、追加された発明と先の出願の発明の共通部分については先の出願日に出願したものとみなされるため、有利な出願日を確保することができます。また、同じような内容の発明について別々に出願するよりは、国内優先権を主張して包括的に権利取得した方が、特許管理上も好ましいと言えます。



2.分割出願

 分割出願とは、既に出願している発明の一部だけを別出願として抜き出すことにより、一出願を複数の出願に分割するものです。

 例えば、既に出願している発明について、審査により拒絶理由通知または拒絶査定が出された場合、その拒絶の理由が全ての発明にわたるものではなく、一部の発明についてのみ該当する場合には、拒絶されている発明だけを分割出願として抜き出すことにより、拒絶されていない方の発明については早期に権利化することができます。この場合、拒絶されている方の発明については、分割出願の審査で審査官により再度審査されることになります。



3.変更出願

 変更出願とは、特許出願・実用新案登録出願・意匠登録出願の間で、出願形式を変更するものです。商標登録出願との間で出願形式を変更することはできません。

 例えば、出願後に特許権及び実用新案権のメリット・デメリットなどを考慮した結果、特許出願から実用新案登録出願、または、実用新案登録出願から特許出願に変更したいと考えた場合には、一定の条件下において、特許出願と実用新案登録出願との間で出願形式を変更することができます。

 また、特許出願または実用新案登録出願をした後に、特許権や実用新案権ではなく、その出願の図面に記載されているデザインについて意匠権を取得した方が得策と考えた場合には、一定の条件下において、特許出願と意匠登録出願との間、または、実用新案登録出願と意匠登録出願との間で出願形式を変更することができます。

 なお、実用新案登録出願については、権利化後であっても、一定の条件を満たす場合には、実用新案登録に基づく特許出願を行うことができます。



4.外国出願

 外国での製造・販売等も考えられる発明については、それらの国においても出願して特許権を取得することにより、発明の保護をさらに強化することができます。

4-1. パリ優先権主張出願

 日本で出願した発明について、外国でも出願しようとする場合には、日本での出願日から1年以内に、パリ条約に基づく優先権を主張して外国へ出願することができます。

 これにより、その外国での審査において、日本での出願日を基準に審査が行われるといった利益を得ることができます。つまり、日本での出願と外国での出願との間に、その発明の内容が第三者により公表された場合であっても、それを理由に外国で特許権を取得することができなくなるといった事態を防止できます。

 ただし、パリ優先権主張出願を行う場合には、明細書等を出願先となる外国で用いられている言語に翻訳した上で、日本での出願日から1年以内に出願しなければなりません。つまり、日本での出願日から1年が経過する直前になってからでは翻訳作業が間に合わなくなる可能性があるので、外国へ出願するかどうかの判断は、比較的早い段階で行う必要があります。

4-2. 国際出願(PCT出願)

 一定の形式に従って日本で出願することにより、特許協力条約(PCT)に締約している複数の国に出願したのと同様の利益を得ることができます。

 国際出願(PCT出願)は、日本語で明細書等を作成し、日本の特許庁に提出することができます。出願後の一定期間内に各国へ翻訳文を提出する必要がありますが、パリ優先権主張出願のように、短期間で翻訳文を作成する必要がありません。

 費用面を考慮すると、多数の国に出願するような場合には国際出願を利用し、数カ国にのみ出願するような場合には、パリ優先権主張出願を利用して各国の特許庁へ個別に出願するのが一般的です。


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