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米国特許制度における先行文献情報開示義務

特許事務スタッフ

2014年9月10日


  米国特許制度では、クレーム発明の特許性の審査において重要な文献のうち、出願人が知っている情報を開示することが義務付けられています。特に、米国出願と同一の発明について他国に出願している場合には、他国の審査過程において審査官から新規性又は進歩性を否定する根拠として提示された文献を米国特許商標庁へ提出する必要があります。この開示義務は、出願人がクレーム発明の特許性に関連する重要な文献を知っているにも関わらず、その文献を開示しないのはアンフェアであるという考え方に基づいています。当該開示義務に違反した場合には、特許の侵害訴訟において特許全体の権利行使が認められなくなる可能性があるため、注意する必要があります。

(1)提出書類
 クレーム発明の特許性に関連する重要な文献が発見された場合には、出願人は、以下の書類を提出する必要があります。

A.情報開示申告書(IDS)
 情報開示申告書は、クレームされた発明の特許性の判断において重要な文献を通知する書面です。

B.文献のコピー
 クレームされた発明の特許性の判断において重要な文献のコピーを提出する必要があります。例えば、明細書の先行技術文献の欄に記載した文献や、対応外国出願の拒絶理由又は国際調査報告においてクレーム発明の新規性又は進歩性を否定する根拠として提示されている文献のコピーを提出する必要があります。一方、拒絶理由通知書において拒絶理由を構成しない先行技術文献として提示されている文献については、特段の事情がない限り、提出する必要はないと思われます。なお、米国の特許文献については、当該特許文献の出願人及び出願番号を通知すれば、コピーの提出を省略することができます。

C.簡潔な説明書(concise explanation)
 文献が英語以外の言語で記載されている場合には、提出する文献とクレームされた発明との関連性についての簡潔な説明書を英語で作成して提出する必要があります。ただし、当該文献の英語訳を提出する場合には、簡潔な説明書の提出を省略することができます。文献全文の英語訳を提出するとすれば翻訳の負担が過大になるため、クレームされた発明の特許性の判断において重要な箇所の部分訳を提出します。例えば、提出する文献に関し、拒絶理由において言及されている箇所があれば、言及された箇所の部分訳を提出し、言及されている箇所がなければ、要約の英語訳を提出することが考えられます。

(2)IDSの提出期間
 IDSの提出期間は、その文献を知った日から3月以内です。また、IDSの提出義務は、特許の登録日まで継続します。最初のオフィスアクション受領以降にIDSを提出する場合には、陳述書を添付する必要があります。この陳述書には、文献を知った日から3月以内である旨の宣誓を記述するため、文献を知った日から3月以内にIDS及び陳述書を提出する必要があります。IDSの提出時期には、以下のA〜Dのケースが考えられます。

A.最初のオフィスアクションの受領前
 米国における最初のオフィスアクション(選択指令を除く)の受領前であれば、いつでもIDSを提出することができます。

B.最初のオフィスアクション受領から最後のオフィスアクション又は許可通知の受領まで
 最初のオフィスアクションの受領後にIDSを提出するには、規則1.97(e)に規定される陳述書の提出又は手数料の支払いのいずれかが必要になります。文献を知った日から3月以上が経過した場合、陳述書を提出する代わりに、手数料を支払うことも可能です。

C.最後のオフィスアクション又は許可通知の受領から特許発行料の支払いまで
 最後のオフィスアクション又は許可通知の受領後にIDSを提出するには、陳述書の提出と手数料の支払いとの両方を行う必要があります。すなわち、文献を知った日から3月以上が経過した場合、陳述書を提出することができないため、IDSを提出することはできなくなります。この場合、RCEを請求して審査を再開させる必要があります。

D.特許の発行料の支払いから特許登録まで
 特許の発行料の支払いから特許の登録までの期間にIDSを提出するには、特許発行料の支払いの取り下げを行うとともに、継続審査請求(RCE: Request for Continued Examination)を請求して審査を再開させる必要があります。
 特許の登録後にIDSを提出するには、再審査請求(Reexamination)を行って一度発行された特許の特許性に関する審査を再開させる必要があります。なお、米国特許庁では、特許の登録日と特許公報の発行日とが一致しています。

(3)参考文献
1.米国特許明細書の作成と審査対応実務(著者:立花顕治、経済産業調査会発行)
2.アメリカ特許の実務(編者:鈴榮特許綜合法律事務所、社団法人発明協会発行)

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